
日本の風土が育てるボタニカルを使って、いつか特別なシリーズを作りたい。
ずっと温めていたその想いが、ある日、
美しい赤実山椒との出会いによって、するすると形になりはじめました。

『山椒』と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、
きっとレモンのようにソリッドで、すっきりとした青山椒。
けれど、私たちが仕込んだ赤山椒のジンは、それとは少し違います。
熟した果実だけが持つ、ふっくらとした丸みと、どこかフルーティな優しさ。
この愛おしい香りを主役に、ジンに欠かせないジュニパーベリーを重ねて、爽快で目が覚めるような、夏に似合うフレーバーに仕上げました。
さらに、爽やかさをもう少しだけ加えるために、添えたのは葉山椒。
強さのある青山椒ではなく、あえて香りの柔らかな葉を選ぶことで、赤山椒のまろやかさを邪魔することなく、山椒らしい瑞々しさをきれいに引き出すことができました。
この大切なピースである山椒と葉山椒は、あるイベントを介して、その手仕事への想いに共鳴した山梨の「HERB STAND」さんから分けていただいたものです。


さらに深みを感じるフレーバーを表現するために、
優しい酸味を持つ甘夏を合わせました。
広島の「蔵八農園」さんが手がけるこの果実は、ものづくりをする友人のお父様が有機で大切に育てたもの。そんな温かい縁から、私たちの元へとやってきてくれました。
甘夏の優しいニュアンスは、柑橘に似た香りを持つコリアンダーシードとともに、より奥行きのある深い余韻を紡ぎ出してくれます。
そして、蒸留を終え、役目を終えた甘夏の皮は、お菓子作りを行う「suika shack」さんへと引き継がれ、また新しい誰かの喜びへと生まれ変わっていきます。

私たちのものづくりは、いつも誰かの手のぬくもりや、心地よい循環のなかにあります。
人と人、想いと想いが、結ばれるようにして生まれた「赤実山椒のジン」。
特別な一滴を、どうぞゆっくりお楽しみください。
